病室の先輩・後輩


熱気球がサトウキビ畑を横切って、水をたっぷり含んだ牧草地にランデングした。 牽引車の荷台に乗って、無事に地上に戻って来た。
『医学的には手術の翌日からは歩いて、普通食をとってもいいですよ!』 とU先生がおっしゃった。 翌朝ベッドごと廊下やエレベーターに乗って、レントゲン室に運ばれた。 レントゲンと・CTを撮っている間は何とか我慢できたのだが、若い時よくかかった車酔いと同じ症状に襲われた。 『乗り物に弱いのは、お父さんに似たのだ!』あとで娘たちと家内との電話での話題の餌食にされてしまった。
『マーチャンの前に手術した義伯母さんは、元気に歩いているよ! 元気だしなよ!』同室・同病のTさんが、声をかけて励ましてくれた。 マーチャンより10歳若いTさんと、更に若い埼玉のHさんが入院直後から、やさしく励ましの言葉をかけてくれた。 若い先輩との共同生活のスタートとなった。
やさしいK先生と頼りにしている担任のU先生が、看護師さんや薬剤師さんを伴って午前と午後の回診にやってくる。 『先生、目眩がして気持ちが悪いんです。腸の働きが止まってしまいました。』すっかり幼児に帰って、泣き言を訴えた。 『そのうち動くだろう!』U先生が笑顔を浮かべて出て行った。 午後はリハビリ開始の予定で、若くて素敵なI先生がやって来た。 『無理なようなので、夕方また来てみますね。』 ベッドに横たわって2日目辺りは、最高に腰の痛みがはっしてくる。 動くに動けない状態でいた時、Iリハビリ師さんがやさしくマッサージしてくれた。 仕事とはいえ、痛みを和らげてくれた務めには恐縮した。
3日目の朝、7時45分待望の朝食が運ばれてきた。 普通食で、病院にしては家庭的な美味しい料理がそろっていた。 箸を持つ肩と腕の痛みを我慢して、頬張った。 やっとルームメートと同じことができるようになった瞬間であった。


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